マンション標準管理規約見直しに必要なこととは
平成28年3月マンション標準管理規約や同コメント等の改正内容
平成28年3月現在、「マンションの管理の適正化に関する指針(告示)」及び「マンション標準管理規約や同コメント」が改正され国土交通省から公表されました。
今回の主な改正の内容は以下となっています。
マンションの管理の適正化に関する指針…
・コミュニティー形成の積極的な取り組みを新たに追加明記
・外部専門家(マンション管理士、弁護士等)を活用する場合の留意事項の追加明記
高齢化等を背景とした管理組合役員の成り手不足の解消や専門知識を持つ専門家の外部役員等の活用を積極的に明記をし、また、防災防犯意識に対して必要となる居住者間のコミュニティー形成を、この適正化指針にて積極的に追加明記されることになりました。
マンション標準管理規約…
・外部専門家の活用
・管理費等の滞納に対する措置
・暴力団等の排除規定
・災害時の管理組合の意思決定について
・管理状況等の情報開示に関する規定
・コミュニティー条項の再整理
外部専門家の活用には第三者管理方式や外部専門家の役員就任についてを積極的に取り入れ、その場合の利益相反についての留意事項を明記することや滞納問題については解決に向けての準備をフローチャートにする、災害時の意思決定については緊急時に理事会での対策を取りやすいよう図られています。
マンション標準管理規約見直しと合意形成
国土交通省の示すマンション標準管理規約は、区分所有法等の法律をもとに一般的なマンションに合わせた規約内容となっています。
管理規約の見直しには、この一般的とされる管理規約内容を貴マンションにあったルールに整備して合意形成を得ることが必要です。
ひとつとして同じマンションはありませんから具体的事例や話し合いを行い、合意形成を取りながら完成させます。
しかし、法律用語に近い表現を用いた条文はとっつき難いものがあるかもしれません、場合によっては専門家(マンション管理士等)を活用して見直しを進めることも手だと思います。
規約見直し、合意形成へのフローチャート
①現理事メンバーを含めた規約見直し委員会の発足…委員会には理事会への具申をしやすく、最低でも役員一名は委員会メンバーにいる必要があります。
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②アンケートを利用した調査や聞き取りを行い、現行の規約が現状に合っているのかを確認します。…原規約、過去の総会議事録、売買契約書、登記事項要約書等の資料をもとに精査します。
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③規約改定案の作成…規約見直し委員会や理事会にて検討して加除修正を行いながら進めます。同時に現規約と改定案との対照表を作成して比較検討を行います。
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④説明会の開催…具体的な改正内容の要点を整理して説明します。管理組合内での合意形成に向けての大きな役割となる説明会は重要で、ここで行われた質疑をもとに、さらに加除修正が行われます。説明会での合意形成が、後の総会での特別多数決議の結果の分かれ目となります。
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⑤総会開催、規約改定…規約の改正には特別多数決議で、区分所有者数および議決権数の各4分の3以上 が必要とされます。ここでようやく規約が改定されます。