管理会社との契約解除には3カ月前に申入れ

管理会社との委託内容を改めて確認をしてみても、これ以上のよりよい信頼関係が管理組合と築けなければ、管理会社の変更を検討すべきでしょう。

ただし、管理会社変更にはそれなりの時間と労力が必要となります。

当然ながら現管理会社から積極的な協力を得られることは難しいため、自分たちでリプレイス委員会を設置したり、マンション管理士等の専門家の力が必要となると思います。

現管理会社の委託内容の改善提案等の見直しを含め、新管理会社との契約までの期間には、最低でも6~8カ月以上、1年程は必要でしょう。

あまりにも契約解除を急ぎすぎて、確かに管理費は安くなるが、仕事ぶりは最悪で、いわゆる、「安かろう悪かろう。」では元も子もありません。

また、一般的に管理会社と契約を解除するには、3カ月程度の予告期間が必要となります。

マンション標準管理委託契約書(管理組合を保護する目的で、管理会社との管理業務の明確化された標準管理委託契約)の第19条には、「 前条(損害賠償等の債務不履行による解除等)の規定にかかわらず、甲及び乙は、その相手方に対し、少なくとも三月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。」とあります。

新管理会社との引継ぎには旧管理会社との協力が必要であり、重要書類等を渡さなければいけないため、まとまった猶予期間が必要です。

管理会社変更のスケジュール

あくまでも目安となるものですが、手順としては、

1、理事会内で現管理会社での管理状況等の問題の整理、明確化や情報共有をおこなう(約2~3カ月)
・居住者からアンケートを取る
・業務仕様の見直し
・新管理会社先の候補の確認
・理事会に会社変更を一任する旨の総会承認

2、複数の管理会社からの提案書、統一仕様での見積取得(約2カ月)
・管理会社による現地調査,質疑への対応
・各社の見積金額,仕様内容の妥当性を検討して3~4社ほどに選定

3、管理会社ヒアリング、委託先の契約確認、1社に内定(約1カ月)
・実際の業務にあたるフロント担当との面談
・管理会社の方針と決意,管理に対する熱意等の確認
・ヒアリングには各社業務説明に30分,質疑応答に30分程

4、(臨時)総会の開催(約1カ月)
・(臨時)総会前に管理会社による重要事項説明,
・総会出席者の過半数で可決される「普通決議」により変更承認,決定

5、現管理会社への解約通知、新管理会社への引継ぎ、管理開始(約3カ月)
・マンション標準管理委託契約書第19条の約定解除手続き
・重要図書,記録の引渡し
・口座振替の変更手続き

上記がおおまかな流れとなります。

変更には、管理組合内の合意形成が大変に重要となります。

嫌な噂が立たぬように、選定については予め公正となるようなルール作りを行い、公平でいつでも情報を共有できるといった透明化された環境つくりも必要でしょう。