マンション管理業者の登録義務や規制で組合を守る

マンション管理適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)第44条により、「マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならない。」とあります。

この登録は、5年という有効期間があり、当然に自動更新ではなく、その都度、登録の更新手続きを行うことになります。

登録の更新制度は、管理業者としての必要、重要となる登録要件を誓約するもので管理組合を保護することにもなります。

そして、登録を受けた管理業者は、法律等により、様々な業務規制を守らなければいけません。

マンション管理適正化法での主な業者規制の概要

・管理業務主任者の設置…
事務所の規模を考慮して一定の数の成年者である専任の管理業務主任者を事務所ごとに置かなければならないことや事務を行う管理業務主任者は、区分所有者等からの請求があったときは、管理業務主任者証を提示しなければならないなど

・重要事項の説明…
管理組合が管理業者と委託契約を締結する際には、区分所有者等や管理者等の全員に対して管理業務主任者の記名押印のある重要事項等を記載した書面を交付するとともに、説明会を開催し、管理業務主任者をして、重要事項について説明させなければなりませんとあり、以下の内容を説明し、管理組合が委託契約をする前に、契約の範囲等について理解してもらい、また、検討の機会を十分に確保しようとするものです。
1マンション管理業者の商号又は名称、住所、登録番号及び登録年月日
2管理事務の対象となるマンションの所在地に関する事項
3管理事務の対象となるマンションの部分に関する事項
4管理事務の内容及び実施方法
5管理事務に要する費用並びにその支払の時期及び方法
6管理事務の一部の再委託に関する事項
7保証契約に関する事項
8免責に関する事項
9契約期間に関する事項
10契約の更新に関する事項
11契約の解除に関する事項
以上、マンション管理適正化法施行規則84条より。

・契約成立時の書面の交付…
管理業者が管理組合と委託契約を締結する際には、管理者等に対し、管理業務主任者の記名押印のある一定の事項を記載した書面を交付しなければならない。

・再委託の制限…
管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、一括して他人に委託することができない。基幹事務とは、会計の収入、支出の調定、出納、マンションの維持・修繕に関する企画、実施の調整のことで、これら代表的業務の下請け利用は禁止されることになります。

・財産の分別管理…
管理組合の修繕積立金等の財産は、管理業者固有の財産にはならないので、しっかりと分別管理しておくこと。

・管理事務の報告…
管理業者は、定期に管理者等に対して管理業務主任者をして、管理事務(月次報告等)に関する報告をさせなければならない。

そして、これらの業務規制等に管理業者が違反すると、国土交通大臣から業務停止命令や登録の取消し等がなされます。

管理組合のための管理業者、あくまでも管理の主役は管理組合ですから、管理組合を守るための規制となるマンション管理適正化法はとても重要となります。