法定点検項目ではない雑排水管清掃は自主判断?

雑排水管清掃の回数は、2年に1回、または、全くやったことがないというマンションもありますが、年に1回程度、定期的に行うことが理想とされています。

トイレの汚水管や雨水を通す雨水管の清掃ではなく、キッチン、浴槽から流れ出す、油汚れや毛髪といった様々な汚れを流す雑排水管の清掃です。

ビル建築物には、ビル管理法上で環境衛生管理点検種目とされ、年に1回の雑排水管洗浄が定められていますが、アパートやマンションでは、法律による定期検査についての規定はありません。

そのため、自主管理マンションであれば自分たちで、管理会社に委託されているのであれば管理会社からの提案により清掃がされていることでしょう。

雑排水管の種類や形状によっても汚れ具合に差はありますし、雑排水管の管路の中は通常は見れませんので、やはり、年1回程の排水管清掃は理想ですし、近年のディスポーザー設置マンションの場合では、何倍も汚れるため、年1回以上の清掃が必要かと思います。

雑排水管清掃の方法とは?

雑排水管清掃の方法には、

1、高圧洗浄法
洗浄ワイヤーの先端から高圧な水を出し、管内の汚れを落とします。
特別な事情などない場合には、この方法によりマンションでは清掃されることが一般的です。

2、スネークワイヤー(トーラー法)法
先端のワイヤーが管内の汚れを回転しながら除去する方法です。
高圧洗浄車設置などのスペースを取らず、局所的な清掃には時間を短縮できますが、洗浄力は劣ります。

3、圧縮エアー法
圧縮空気を一気に管内へ放出しながら閉塞物を除去する方法です。

4、化学的洗浄方法
高圧洗浄車の設置など機械的洗浄方法が難しい場合に、管内にアルカリ洗剤や酸性洗剤を使い洗浄を行います。

しかしながら、の洗浄技術開発の日新月歩の成長により、様々な清掃方法が開発向上される可能性は十分にある分野ですから、さらに高効率化、低コスト化を期待して注視するべきでしょう。

雑排水管清掃のトラブル

トラブル1

雑排水管清掃作業時は、あらかじめ作業日を1カ月前ほどからお知らせをし、住戸内に入り作業します。

しかしながら、当日の不在や立ち入りの拒否をされる場合があります。

不在の場合であれば事前の連絡や約束により、合鍵をもって立入りし作業することができますが、完全拒否の住戸に関しては、限界があります。

長年の未施工の住戸があれば、雑排水の汚れ、劣化により漏水が発生する可能性も十分にあります。

漏水となればその住戸だけでなく、系列の下階へも損害が及ぶため、清掃の必要性を説明周知し、誠意をもって根気よく対応しなければいけません。

トラブル2

高経年のマンションや雑排水管清掃をほどんどしたことのないマンションでは、高圧洗浄の圧力に耐えられず、雑排水管が破裂し、漏水事故が起こることがあります。

この漏水や雑排水管の破裂に対しては、清掃業者も責任を負わない形で請け負う契約が一般的です。

ですから、事故に備えた保険や改修等についての可能性について専門業者としっかりとした打合せが必要となります。