高経年マンションの白ガス管は危険

マンション内の配管には、給水管や排水管、汚水管などの他にガス管もあるのがマンションでは一般的です。

ガス管も給排水管と同様に経年すれば更新が必要となり、定期的な修繕計画を立てることが必要です。

昭和50年頃以前に建てられたマンションでは、亜鉛メッキ鋼管(白ガス管)が主流で、土中に埋設されている白ガス管(野外埋設取替え周期約20年)に関しては、腐食が発生し、ガス漏れが発生して爆発が起こるなどの理由からガス事業法により現在では、使用が禁止されています。

現在では、埋設部分にポリエチレン管(地震の揺れに柔軟)、露出部分については硬質塩化ビニル鋼管(耐食性がある)が使用されています。

上記理由により白ガス管使用のマンションでは、早急に更新が必要です。

更新にあたっては、都市ガス使用等の場合には、配管の施工等については、都市ガス事業者やその指定工事店が行うことになっており、ガス事業法により一般的な業者が、施工を行うことはできません。

ガス事業法と定期保安点検

ガス事業法により、都市ガス使用のマンションでも3年に1回程には、ガス配管等設備の保安点検を行うことになります。

費用は、無料です。

この点検は、屋外の点検だけでなく、屋内も行うため、その場合には事前に訪問予定日を知らせて行なうことになります。

この定期保安点検は、ガス事業者が、安全上の確認行う為に課せられた義務のことであり、使用者が点検を受ける法律上の義務があるものではありません。

保安点検は事業者の義務のため、事業者によっては、一部の建物に対しては、年に1回以上の点検を行うこともあります。

ですから、使用者は拒否もできますし、罰則もありません。

ありませんが、点検を受けることが賢明と思います。

ガス配管等の所有範囲と工事費用

ガス配管の交換となると道路部分の本管である供給部分は、無償でガス事業者が行ないます。

私有地(マンション敷地内)となると有償となります。

私有地となる境界から各戸のメーターガス栓までが共用部分となり、それからの戸内のガス栓までの配管は、専有部分となります。

ガス工事について一般的なガス事業者は、ガス供給約款により使用者と契約しているため、工事費用についての見積金額は、どの設備会社へ依頼しても変わりません。

ですから、金額多寡に左右されてはいけません。

ガス事業者の承諾を得ない工事会社に対しての工事の発注は、ガス事業者の保安責任を果たせず、公共の安全を害することになりますので注意が必要です。