最近のマンションでは動物を家族の一員として迎え入れたいと考える高齢者世帯や独り暮らしの方が増えているそうです。


動物を人生のパートナーと考え、共に歩んでいく考え方は人生に対して大きな安らぎとなるでしょう。

区分所有されている所有者は、専有部分をつまりは自宅内を自由に使用ができます。


しかし、大きな屋根の下で共同で暮らすマンション生活では、動物に対して嫌悪感を持つ方(その方の考えを蔑ろにすることは絶対に許されることではありません)が当然にいることでしょうから簡単に動物を飼育できるものでもありません、また、どんなに注意をしながら飼育しても換気扇からの異臭やバルコニーでの風に流されてくる体毛、騒音、アレルギー問題等防ぎようのない問題で迷惑がかかることもあります。

マンションでのペット飼育についての扱いについては管理規約や使用細則で決められ、飼育を全面的に禁止し、人権上の制約をかけることは可能であると考えられた判例があります。


ただ、盲導犬のような動物については飼い主の生活、生存にとって必要不可欠である特段の事情は権利に特別の影響を及びますので注意が必要でしょう。

問題は管理規約等でペット飼育についての定めがない場合です。


管理規約等でペット飼育を禁止していない場合でも区分所有法6条1項の定めで区分所有者は共同の利益に反する行為をしてはならない義務を負っています。

つまりは管理組合がペットの飼育による騒音や悪臭等の実害を具体的に立証すれば共同の利益に反する行為により他の居住者に迷惑をかけたことでペットの飼育を禁止させることが可能です。

このようにマンション所有では戸建て所有とは違い所有物に対する自由な権利に様々な問題があります。


今一度ペット飼育に関してだけでなく、将来の居住形態を考えた生活環境に合わした管理規約を考えることが必要ではないでしょうか。