大規模修繕工事と修繕委員会の必要性 大規模修繕工事の成功に向けて
マンション大規模修繕工事の時期が近づいて来るとなると…。
「では、どうしたらいいの?」と居住者から聞こえてくるかもしれません。
「それは、管理会社に任せればいいんじゃない?」
確かにこの考えは間違っているとは思いません。
日頃からマンションについての維持管理、保守、保全等にて現状を把握しているのが管理会社です。
信頼できるからこそ、管理会社に任せることが正論でしょう。
では、信頼できなければ…。
管理会社は、現状のマンション資金状況について十分に把握しています。
管理会社の営利目的の視点から考えれば、不要不急の工事の検討もなく、新築状態に戻すようなフルスペックな工事が提案されるのではないでしょうか。
管理会社より将来に向けての大規模修繕工事のための一時金の徴収や修繕積立金の値上げは、居住者の資金状態を把握しているとは言えません。
それは、管理会社が管理組合側の味方としていると考えられるでしょうか?
マンション管理組合では限られた資金の中、最小の経費で最大の効果があげられることが一番と思います。
必要なのは大規模修繕工事の結果が良好、将来に向けて必要な建物の維持管理向上が担保できるよう検討しなければなりません。
そこで、大規模修繕工事の検討で最初に考えられるのが、修繕委員会の設立と思います。
専門委員会では、工事内容をしっかりと精査し、管理組合として、マンションの未来に向けて一番良い結果を得られるよう検討をします。
修繕委員会に必要なメンバーとは
マンション管理組合での役員の任務は1~2年間で輪番制で行われています。
マンション大規模修繕工事の実施検討には、1~3年前からの検討が必要となります。
1~2年間で役員が入れ替わる管理組合の状況では、役員の負担が大変に大きいと思います。
そこで、大規模修繕工事の検討が必要となる時期の前に、修繕委員会を設置し、長期的に検討できる居住者の有志を集め、専門委員会によって検討が行われることが宜しいかと思います。
修繕委員会のメンバーには、歴代の役員経験者や居住者内にいる建築や法律に詳しい人をメンバーに参加してもらうとよいでしょう。
また、大規模修繕工事は、生活を続けながらの工事となります。
日常生活の中の工事となりますと、女性からの視点も大変重要な考えとなりますので女性も委員会に必要かと思います。
基本的に、大規模修繕工事には、専門的知識が必要となります。
専門知識を持つ、マンション管理士、建築士等からの助言を受けるため、専門家をメンバーに入れ、検討することも大変に効率がよく、委員会の負担も軽減されて、協議がスムーズに進むかと思います。
修繕委員会での工事検討内容については、理事会へ具申することになります。
委員会での検討内容が理事会内に正確に伝わるよう修繕委員会の中に、現役員との兼任をするような組合員の参加も必要な検討となります。
修繕委員会の業務
では、設立した専門委員会では、どのようなことを行うのでしょうか?
工事予算となる修繕積立金と修繕工事内容の精査や組合員の合意形成に向けた広報や連絡、大規模修繕工事の勉強会、専門知識の補充のためのコンサルへの委託検討等となります。
場合により、借入金の検討や一時金の徴収についての合意形成に向けての総会準備も必要な業務となります。
これだけでも、大変な負担となる委員会業務に、さらに工事が施工され始めると、工事内容についてのクレームの窓口にもなります。
これらの修繕委員会の負担を考えると、専門家の意見を取入れる体制をとって、大規模修繕工事が成功するよう進めていただきたいと思います。