マンション大規模修繕工事の参考となる修繕周期
修繕工事項目と修繕周期

修繕項目には、参考となる修繕周期があります。
国土交通省では既存資料を参考に各協会、研究機関等での検討を踏まえて、参考となる修繕周期を発表しています。

この資料を参考に、管理組合は修繕工事の周期を把握して、修繕周期時期には専門家の調査診断を受けて大規模修繕工事の検討を行うのが、ひとつの方法であります。

参考となる修繕時期から、あまりにも早すぎる不要な修繕工事は、修繕積立金の目減りをすることになり、将来の管理組合財政状況を圧迫します。

但し、大規模修繕工事では数十年に一度、直接仮設や共通仮設を設置して大掛かりな工事をします。
調査診断をした結果、現状では健全となる箇所でも直近数年後には、修繕が必要となる場合には、足場架設、作業員人数によるスケールメリットを考慮して工事を早める検討も必要となります。

また、大規模修繕工事の検討から施工までには、少なくとも1、2年の検討期間がかかり、この期間を含めて修繕項目を検討することにもなります。

参考となる修繕周期をもとに、総合的な判断を行い、大規模修繕工事を成功させなければなりません。

以下、国土交通省の「マンション管理について」「長期修繕計画標準様式」様式第3-2号記載例から一部を抜粋。

1、屋根防水

推定修繕工事項目対象部位工事区分・修繕周期(参考)
屋上防水(保護)屋上、塔屋、ルーフバルコニー補修・12年   修繕・24年
屋上防水(露出)屋上、塔屋修繕・12年   撤去、新設・24年

2、床防水

推定修繕工事項目対象部位工事区分・修繕周期(参考)
バルコニー床防水バルコニーの床(側溝、幅木を含む)修繕・12年
開放廊下・階段等床防水開放廊下・階段の床(側溝、幅木を含む)修繕・12年

3、外壁塗装等

推定修繕工事項目対象部位工事区分・修繕周期(参考)
コンクリート補修外壁、屋根、床等(コンクリート、モルタル部分)補修・12
外壁塗装外壁、手すり壁等塗替・12年   除去、塗装・36年
タイル張補修外壁、手すり壁等補修・12
シーリング外壁目地、建具廻り、スリーブ廻り等打替・12年

4、鉄部塗装等

推定修繕工事項目対象部位工事区分・修繕周期(参考)
鉄部塗装(雨掛かり部分)(鋼製)開放廊下、階段、バルコニーの手すり、支持金物、縦樋等塗替・4年
鉄部塗装(非雨掛かり部分)(鋼製)玄関ドア、照明器具、屋内消火栓箱等塗替・6年
非鉄部塗装(アルミ、ステンレス等)サッシ、面格子、ドア、避難ハッチ、換気口等   (ボード、樹脂、木製等)隔て板、エアコンスリーブ、雨樋等 清掃・12年 アルミ、ステンレス   塗替・12年 ボード、樹脂、木製

5、建具・金物等

推定修繕工事項目対象部位工事区分・修繕周期(参考)
建具関係玄関ドア、共用部分ドア、自動ドア点検、調整・12年   取替・36年
窓サッシ、面格子、網戸、シャッター点検、調整・12年   取替・36年
手すり開放廊下、階段、バルコニーの手すり、防風スクリーン取替・36年
屋外鉄骨階段屋外鉄骨階段補修・12年   取替・36年
金物等(集合郵便受等)集合郵便受、掲示板、宅配ロッカー等取替・24年
笠木、架台、立て樋、隔て板、排水金物、物干金物等取替・24年
屋上フェンス等取替・36年

6、給水設備、排水設備、ガス設備

推定修繕工事項目対象部位工事区分・修繕周期(参考)
給水管屋内共用給水管更生・15年
 屋内共用給水管、屋外共用給水管取替(更新)・30年
貯水槽受水槽取替・25年
 高置水槽取替・25年
給水ポンプ揚水ポンプ、加圧給水ポンプ、直結増圧ポンプ補修・8年   取替・16年
排水管屋内共用雑排水管更生・15年
屋内共用雑排水管、汚水管、雨水管取替(更新)・30年
排水ポンプ排水ポンプ補修・8年   取替・16年
ガス管屋外埋設部ガス管、屋内共用ガス管取替(更新)・30年

7、その他

推定修繕工事項目対象部位工事区分・修繕周期(参考)
電灯設備共用廊下、エントランスホール等の照明器具、配線器具、非常照明、外灯等取替・15年
配電盤類配電盤、プルボックス等取替・30年
幹線設備引込開閉器、幹線(電灯、動力)等取替・30年
電話設備電話配線盤(MDF)、中間端子盤(IDF)等取替・30年
テレビ共聴設備アンテナ、増幅器、分配器等取替・15年
インターネット設備住棟内ネットワーク取替・15年
インターホン設備等インターホン設備、オートロック設備、住宅情報盤、防犯設備、配線等取替・15年
昇降機カゴ内装、扉、三方枠等補修・15年
全構成機器取替・30年