議決権行使書と委任状の取扱いについて!?
総会の開催通知には、出欠の確認を求める書面と同時に、議決権行使書と委任状についての記載があります。
区分所有法第39条2項には、「議決権は、書面で、又は代理人によつて行使することができる。」とあり、書面での意思表示が議決権行使書、代理人での意思表示は委任状で行われます。
この二点の議決権の行使方法は、法律上で認められる権利であり規約などで規制することはできません。
議決権行使書…
総会にあたっては事前に開催の通知を行ないますが、それでもなお、当日に出席できない場合に、議案についての賛否を開催前に決定し、その意思表示を書面に記して招集者に提出して議決権を行使します。
委任状…
言葉の通り、代理人よる議決権の行使であり、規約で代理人の要件を制限する場合(例えば、同居者、賃借人等)を除き、意思能力がある限り誰でも代理人になることができます。
議決権行使書と委任状についての行使する選択方法は、通知案内に一緒に記載されていることが一般的です。
そこで、よくある問題があります。
それは、出欠と議決権行使書、委任状それぞれに、同時に署名捺印がなされていることです。
そのような状況は、ありえないと思われがちですが、様々な要因、事情が重なり実際に起こっています。
そのような場合、招集者としては、どのようにその意思表示された書面に対して扱えばよいのかということです。
優先順位を考えると、まずは、どのような場合でも必ず本人に対して確認を取ることです。
その上で、総会に出席するとなれば、開催時の賛否の判断が当然優先され、議決権行使書と委任状に署名捺印があれば、賛否を記した議決権行使書を基本的には優先すると思われます。
しかし、本人の意思を代理人に委ねる委任状より、委任される代理人が指名されている場合には、疑義が起こりやすく、代理人の意思表示が、本人の最終の意思表示の考えととらえることもできますので、やはり、本人の確認が必要となるでしょう。
また、議決権行使書、委任状への記載がなく、白紙委任として賛成票と扱うことがあります。
例えば、議決権行使書や委任状への記載がない場合には、議長へ一任するとして扱われるような場合です。
このような条件での白紙委任を賛成票と扱うことは、実務上、多く認められますが、そのようなあらかじめの準備や通知記載がない場合に、白紙委任を賛成票とすることは無効となることでしょう。
無効となれば、議決権行使者としての出席とは認められません。