ハウスダストとの勝負の結末は！？

そもそもハウスダストってなに？

ハウスダストってよく聞きますが、いったい何なんでしょうか？

ハウスダストはアレルギー検査での結果報告でもあげられる検査項目のひとつですね。

このハウスダストの説明は、厚生労働省では「住宅内の粉ジン」と考えています。

住宅内の粉ジンは、ダニやカビが含まれるそうです。

具体的には、人のフケや布団、衣類などの繊維、外から持ち込められた土や花粉も住宅内の粉ジンということです。

休みの日に遅く起きた朝、すっかり太陽の陽もあがり、眩しく部屋を照らすときに無数のホコリを見た経験がありませんか？

そうです、あれがハウスダスト、つまりはホコリです。

このアレルギー反応を起こす成分を含んだホコリが口の中に入り体内に入り込んでいると思うとゾ～っとしますね。

確かに家の中を見渡すと、テレビの裏側だったり冷蔵庫の上を見てみるとホコリが溜まっているなんてことがあるのではないでしょうか？

そうです、ホコリは日中の人が活動する時間に宙をふわふわと飛び回り、人が部屋の中を活動しない、つまり就寝中や外出中にホコリは落ちてきます。

でもなんでホコリはテレビの裏側とかに積もりやすいのでしょうか？

部屋の中を見渡すと一部分だけ積もってて床の大半は積もってないと不思議に思うことはないですか？

実はそれだけホコリは空気抵抗を受けやすいということです。

よーく部屋の隅を見て下さい、うっすらと堆積したホコリが見つかりませんか？

見つからないならばきっとお掃除上手といっていいのではないでしょうかね。

ハウスダストの発生源とは？

ハウスダスト、つまりはカビやダニを含んだホコリなどはどこからくるのでしょうか。

大きく分けて外部から入ってくるものと内部で発生するものがあります。

外部から入ってくるものといえば花粉や土砂と考えられますが、昆虫の死がいやフンといったものも運ばれています。

内部で発生するものは布団や洋服の繊維だけでなく、食べ物のカスや髪の毛のフケといったカビの胞子の大好物なものが発生しています。

このホコリの中の様々な物質がアレルギー症状を引き起こすハウスダストということになります。

ハウスダストとアレルギーの関係性

では、アレルギーの原因となるハウスダストのアレルゲンは具体的にどのようなものがあるのでしょうか？

何度もいうのですが、答えはダニの死がいやフン、カビ、花粉それと細菌も含まれます。

これらの成分はとても小さく軽いため空気中に舞い上がり口の中へ吸い込みやすくなります。

そして人間の体には防衛反応があります。

この防衛反応の強い人は、体内に入り込んだハウスダストを異物と体が反応して侵入することを阻止するために体が拒否反応をします。

鼻水であればハウスダストを鼻への侵入を防ぐ。

喘息であればハウスダストを肺などへの進入を防ぐ。

目のかゆみならハウスダストから目を守る等々と体の防衛反応の結果です。

ハウスダストが原因の病気とは

ハウスダストが原因による病気の症状には多くありますが、以下がおもな病気となります。

①気管支炎喘息…肺へ空気を送り込む手前の気管支に炎症を慢性的に起こす病気です。アレルギーの原因（ハウスダストなど）が肺の気道を進入するのを防ぐため気管支が腫れたり痰が発生して呼吸困難となります。

②アトピー性皮膚炎…アレルギーの原因（ハウスダストなど）が皮膚に刺激をすると、皮膚の防衛反応により体が無意識的に異物と認識して、皮膚に湿疹やかゆみが起こります。

③花粉症…季節性アレルギー性鼻炎といわれています。スギやヒノキ、ブタクサなど体が無意識に異物と認識して鼻水等で異物を避けようと防衛反応が起こります。

ハウスダストの発生場所について

ハウスダストに対してアレルギーを持つとあらゆる疾患症状をあらわすことは前回説明いたしました。

では、そのハウスダストの具体的な発生場所をもうちょっと具体的に説明したいと思います。

寝室の布団などや外気の風を受けるカーテンは綿ぼこりでとてもハウスダストの発生しやすい場所といえます。

アレルギーの原因となるハウスダストは、カビや虫の死がいやフンも含まれるため、窓際の結露のカビやカーペット、畳の虫の死がいやフン、つまりはカビやダニの発生場所がハウスダストの発生場所、つまりはアレルギーの根本的原因＝ハウスダストとなります。

ダニは食べかすや人間の皮脂などを栄養として増え続けますし、カビは近年の住宅建築設計上とても住宅の機密性が高まりダニの好む環境である高温多湿状態を作って発生しています。

そしてハウスダストの発生場所で見落としがちなのがエアコンです。

エアコンは熱交換器によって室外との温度差を利用して室内へ調整した空気を送風口から流します。

その熱交換部分は常に結露に近い状態を作り出すため、カビの発生原因となる高温多湿状態になりやすく、エアコンの送風口からの空気とともにカビの胞子を室内全体に飛ばすことになります。

それだけでなくエアコンからの空気は掃除の行届かない場所のハウスダストも室内に拡散させることになります。

また、意外と思われるかもししれませんが、トイレもハウスダストの発生場所です。

トイレは密閉された空間のため、衣服やトイレットペーパーが密閉された空間の中で行き場をなくして使用の度にハウスダストが宙を舞い上がり続けます。

また、トイレで飛散してしまった大腸菌や黄色ブドウ球菌はホコリをエサとして増殖することも分かっています。

どのようにハウスダスト対策をすればよいのか！？

では、この健康に害をもたらす可能性のあるハウスダストをどのようにすればなくせるのでしょうか？

…残念ながら完全になくすといった完全な無菌状態は難しいでしょう。

しかしながら、極力部屋の中のハウスダストを減らすことを目指すことは可能かと思います。

それでは、どのような対策があるのでしょうか？

それは…

①朝一番の掃除…ホコリは人が寝返りをしただけでもふわふわと飛び回ります。ということは、活動のない夜にホコリは床などの底へ定着するため、活動し始めの朝に底へ定着したホコリを掃除することは有効です。

②家庭用殺虫剤や防ダニシートでダニを減らす…殺虫剤スプレーでダニなどを死滅させて、しっかりと掃除機で死がいを吸い取ったり、タンスや押し入れなどに防ダニシートを置けば簡単にダニの数を減らすこともできます。

③風通しの良い空間を保つ…ダニやカビは高温多湿を好みます。そのような部屋の状態を起こさないように湿気が溜まらないように換気を行いましょう。

④空気清浄機の使用…高性能な空気清浄機が開発されて、花粉やPM2.5にまで効果を発揮します。ただし、使用期限を守って定期的にフィルターの交換や掃除は欠かさずに行いましょう。

⑤プロのハウスクリーニングを依頼する…素人の掃除とプロの掃除の差は雲泥の差といっても過言ではないでしょう。使用する機材や技術だけでなく、洗剤をとっても素人には危険な高濃度なものを使用したりします。また、エアコン洗浄となれば素人には限界があります。思い切ってプロに任せるのもアリだと思います。

自分で出来るハウスダスト対策

ホコリやダニなどのハウスダストに対する対処方法を自分で行うにはどのような方法があるのでしょうか？

こまめな掃除はもちろん大事になります。

ハウスダストは静電気によって汚れを導き堆積する特性がありますので、照明カバーの傘の上やカーテンにホコリが堆積したり、普段掃除の行き届かない押し入れやクローゼットではホコリが堆積する絶好の場所でといえるでしょう。

そして、アレルギーの原因となるハウスダストのダニは、数十個から数百までの卵を生きている間に産んでいるので、予防がなされないとなると、とても不衛生な環境になりますのでホコリの堆積する場所をなくす為の予防は必然となります。

毎日の掃除は重労働と私は思います（できればこまめに毎日掃除をしてもらいたいですが）。

日頃の予防的意味をふまえて清掃のポイントを教えます。

まずは寝室、当然のことながら寝室には寝具等がありホコリが舞うことが多いので掃除は重点的に行わなければいけません。特に布団には皮脂などのダニの栄養分の宝庫でダニの好環境な場所なので重点的に掃除を行わなければなりません。

布団の掃除機がけは、布団専用の吸い口ノズルが市販されているので活用してください。これで表面のダニは吸い取られるので後は、布団内部にこもったダニは天日干しが有効です。

天日干しはダニを死滅させる高温状態となるため有効です。

有効ですが、干した際にホコリや花粉が堆積しやすくなるのでホコリや花粉を通さない干し袋も市販されているので、それで覆ってしまうことがよいでしょう。そして干した後に再度ダニの死がいなどを掃除機がけを行い吸い取ります。

次に照明カバーの傘の上や押し入れ、クローゼットは静電気的な反応によりホコリを堆積するため、同じように静電気を帯びたハンディモップは絶大な効果を発揮して拭き取ってくれます。

水ぶきや乾ぶきなどの堆積したホコリの掃除は新たに静電気を帯びてしまい逆効果になる場合も多くありますので、ハンディモップがおススメです。

そして最後は空気中にフワフワと飛び回るホコリの対策です。

これは正直に言いまして空気清浄機がこれ以上もなく、これ以下もなく有効なハウスダスト対策となります。

最近の空気清浄機は高性能なフィルターが仕様されており微小なハウスダストも見逃しません。

なかなかハウスダストの発生を防ぐことは難しいことでしょう。

予防策としてはダニやカビの発生を抑えるためにこまめに換気をおこなって湿度が上がらないようにしたり、静電気を帯びやすい家具などのハウスダストが溜まりやすいものをできるだけ置くことをやめることでしょう。