マンションの安全性能と法律等の規制
マンション内で地震や火災が起きた場合、その場からの非難について考えたことはありますでしょうか?
地震の場合はドアが変形してしまい出入りが不可能になったり、火災では密閉された階段室での一酸化炭素の充満で非難が困難。
等々、想定外の危険が起こりえます。
まずは、身の安全の確保、そして避難路までの移動といったことが重要となるでしょう。
建築基準法や消防法、各都道府県条例等の法律面によっても大切な命を守るため、安全の基準が定められています。
たとえば、消火活動上(はしごの高さ等)の最低限必要な高さを超える31メートル以上の建物は規制が厳しく、非常用エレベーターの設置義務や新耐震法上での構造計算上も厳しくなります。
二方向避難と隔て板
共同住宅等では火災に対する特例を受けるなどを除いて、災害時に備えて二方向への避難経路が確保されていなければなりません。
避難階段に至る経路が、二つ確保されているかどうかで、階段が必ずしも二つ必要というわけではありません。
マンションでの具体的な二方向避難としてバルコニー側にある隔て板があります。
バルコニーが避難経路と使用されていて、隔て板は容易に開放できる状態で、すぐに除去し、又は破壊することができます。
ですから、バルコニーに温室の設置や植木、ペット小屋を置くことは違反となり、訴訟となった場合には撤去命令が出されることにもなります。
マンションの避難設備
マンション避難設備には、非難はしご(避難ハッチ)があります。
避難の際はハッチを開けて下の階へはしごを垂らすもので、マンションでは各戸に設置されているものではなく、各階のバルコニー両端にあります。
避難はしごの上に物を置いたり、ウッドデッキを敷いたりすることは当然に厳禁です。
また、どこに非難はしごがあるかを居住者が知らずにいることも多く、全居住者へ周知する必要があるので防災訓練等の機会を利用して周知すると良いでしょう。
その他にも、
誘導灯…線色の地に白文字で避難口へ誘導し、常時点灯されています。
非常用照明…停電時に点灯して避難通路の明るさを確保するもので30分以上点灯し続けます。
避難器具…2階以上の階または地階で、収容人員が30人以上等の条件の場合は、避難器具の設置がマンションでは決められ、避難はしご以外にも緩降機、すべり台、すべり棒、避難橋、避難用タラップ、救助袋、避難ロープの8種類の避難器具の規格があります。
このように、非常時の避難設備には様々なものがあり、大事な命を守るものであり、緊急使用時使えない状態では意味がありません。
このようなことを常々意識してもらい、いざという時のために備えてもらいたいと思います。