連結送水管と消防法

消防法では、連結送水管の配管竣工後、10年を経過した場合、10年経過後には3年毎に連結送水管の耐圧性能試験をする義務があります。

そこで、マンション竣工10年経過後、連結送水管設備がある場合に、耐圧性能試験が行われていなければ、消防設備点検報告書の指摘事項として不良判定を受けます。

原則、マンションでは3年毎に消防署へ消防設備点検結果の報告書を届けることになりますので、

この点検報告に基づき、消防署長へ改修計画書を提出して改修予定日を通知しなければなりません。

そもそも、連結送水管とは、高層マンションなど消火が困難な場所で火災が起きた場合に、消防車両の送水を連結送水管の送水口に接続し、高層の放水口から消火活動を行います。

その中間での送水役割を果たす配管が連結送水管設備です。

ですから、消防車両から高圧で送水されたものに対し、圧力に耐えられない連結送水管であれば、管が破損して漏水してしまい、高層での消火活動は不可能となります。

そのため、耐圧性能試験の義務があります。

消防法令上の連結送水管設置対象となる条件の建物とは、

・地階を除く階数が,7以上の建築物
・地階を除く階数が,5以上で、延べ面積が6000㎡以上の建築物
・延べ面積が1000㎡以上の地下街
などがあり、

原則、7階以上のマンションでは設置対象となりますので、高層マンションでは、連結送水管の設置がされています。

連結送水管の耐圧性能試験

試験での点検基準では、連結送水管検査測定車より設計送水圧間での加圧をし、変形、損傷又は著しい漏水等がないことを確認します。

また、放水されるホースに対しても末端部に充水し所定の水圧をかけて、変形、損傷又は著しい漏水等がないことを確認します。

破損等が確認されると、新しい送水管ルートを変えるなど大規模な改修工事となり費用が多く掛かります。

消防署より改修計画書を求められた

消防点検報告書の消防署への届出により、消防署署長より、不良指摘事項をもとに改善を求めるよう具体的な改修予定となる改修計画の提出を求められます。

改修計画書には、改修設備名や改修項目、改修予定日を記入します。

なお、業者手続きや予算上の都合、長期的な工事期間がかかる場合等は、その旨を正確に伝え、それを踏まえて予定を報告する必要があります。

この改修計画書の提出は、法的拘束力をもつ、改修命令ではない行政指導となりますので、拘束力はありませんが、虚偽の報告をした場合には、消防法上で罰金または拘留が課せられます。