共用部分と専有部分の違いは?

マンションは戸建てとは違い、共同住宅です。

戸建ては玄関を開けるまでもなく、所有する敷地に踏み込めば、所有権絶対の原則があり、法令等に違反しない限り、自由に使用できます。

しかし、マンションは、玄関を開けるまでに規約や細則等のルールに従わなければいけない共用部分を通って、始めて、玄関を開けて自由に使用できる専有部分に入ります。

当たり前ですが、それが戸建てとマンションの違いです。

この決定的に戸建と違う共用部分と専有部分の違いに対する認識が居住者の中で希薄であればあるほど、マンション内でのトラブルが増えます。

では、共用部分と専有部分ではどのような違いがあるのでしょうか?

例えば、火災保険については、専有部分と共用部分に分けて契約されますし、上記のように共用部分は規約等に拘束され、共同生活上、居住者間で決められたルールやマナーを守らなければいけません。

専有部分での喫煙は許されるが、共用部分である廊下等の館内での喫煙は許されない。

また、非常時の通行の妨げとなる自転車やベビーカーが、共用部分の廊下に置かれていることもルール違反となりしてはいけません。

そもそも区分所有法では、

専有部分は、
1棟の建物のうち、構造上区分され独立して住居・店舗・事務所又は倉庫その他の建物としての用途に供することができる数個の建物の部分とする(区分所有権)。

共用部分は、
共用部分とは専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物および共用部分とされた附属の建物として定められています。

共用部分と専有部分についての認識不足によって、ベランダやバルコニーが専有部分と思われ植木や物置などが置かれる場合がありますが、これは、火災時には避難通路として使用されるため、専用使用権部分であり、共用部分とされますので、消防法令によっても私物を置き、避難が困難な状態は禁止されています。

また、給排水管の漏水事故の保険対応についても事故の起きた給排水管が共用部分であれば、管理組合側でのマンション総合保険等での対応となり、専有部分であれば個人での保険で対応することになります。

専有部分と思われがちな窓や窓枠も共用部分とされ、マンションの美観上の資産価値の考えから自由に変更することは、原則禁止されていますが通常の使用での窓の破損は個人負担で直すことになります。

このように、共用部分と専有部分の違いをしっかりと認識しないと修繕をする際に管理組合側で行うのか、個人で行うのかと無用なトラブルとなってしまいます。

次回は、具体的にどこが共用部分であるか、専有部分であるかをまとめてみたいと思います。