総会や理事会の議事録の重要性と義務

議事録とは、総会や理事会における審議経過や結論、決定などを記録して、会議における内容を区分所有者等に周知、共有することにあります。

会議内容を記憶し、それを口頭で区分所有者等へ周知することには限界がありますし、言った、言わないのトラブルになりかねません。

そこで、総会や理事会での決定事項の透明性などを保つため、区分所有法第42条では、総会(区分法では集会)での議事録作成、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない法的義務を課してます。

また、区分所有法の条文にはない理事会議事録作成についても、規約で作成することを定めることが一般的で、マンション標準管理規約では、総会議事録作成の条文を準用することで、議事録作成の義務化を定めています。

この総会や理事会での議事録の必要性は、管理組合法人登記やバリアフリー化、耐震診断等の助成金申請、住宅金融支援機構からの共用部分リフォーム融資の利用、身近なところで組合口座の開設に理事長選任の必要添付書類と、マンションでの訴訟事件については証拠書類となるなど、あらゆる場合に必要とされるため、作成や保管は必要不可欠となります。

総会議事録作成,保管等については罰則規定がある!

総会での議事録について区分所有法では、罰則規定を設けています。

議事録の作成義務違反、保管義務違反、虚偽報告に対する過料制度を設けて、20万円以下の処分となります。

理事会議事録についての罰則規定などはありませんが、国土交通省からのマンション管理標準指針では、標準的な対応として、議事録を作成し、区分所有者又は利害関係人の求めに応じて閲覧できる状態で、管理組合において保管していることが挙げられています。

総会議事録の保管期間は法的に定められていませんが、永久保存と考えられていますので、理事会議事録についてもできるだけ長く、5年以上は保存してもらいたいと思います。

なぜなら、違法居住者や管理費等の滞納者などに対する訴訟での、経過や対応を残すことは訴訟上、とても有効な記録とされるからです。

同時にマンション内でのコミュニティー等の活動記録として、ソフト面の資産価値をあらわすものとなります。

議事録にはどのようなことを記録するのか

総会と理事会では役割や決定事項は違いますので一概には言えませんが、

・開催日時や場所
・議事にあたっての必要定足数を現すなど出席者、出席数について
・議案についての説明やアンケートや質問に対しての要領
・議案の結果や継続案件について記録
などが挙げられます。

総会や理事会の議事録作成についての作成期限はありませんが、概ね2週間以内程度で速やかに作成されるべきと思います。

それ以上、期間が伸びてしまうと記録に対する記憶等が風化される恐れもあり、思わぬ勘違いが起きかねないでしょう。

なお、管理会社へ管理業務を委託している場合には、フロント担当者が議事録作成の素案等の作成を支援しますので、それをもとに修正しながら作成することが一般的です。