外壁の調査・補修には、どのような方法があるでしょうか?
調査については、テストハンマーによる打診調査、赤外線調査といった方法があります。
打診調査とは、実際に外壁に対して触診をし、反発音によって浮き、剥離といった不具合箇所を発見します。
実際に触診を行うため、危険な部位があれば確実に判別できます。
しかしながら、外壁全面の調査となると、後の赤外線調査による方法より、時間が多くかかったり、足場が必要となったり、費用が多くかかります。
ただし、突然の外壁剥離(タイル剥落)により、緊急に急所的な調査が必要な場合には、ロープブランコ方法といった、無足場で調査員が、屋上よりロープをたらし、ぶら下がりながら調査するといった方法もありますが、あくまでも急所的な調査といえるでしょう。
赤外線調査では、打診調査とは違い、足場が不要で遠隔調査が可能なため、迅速性があります。
最近では、ドローンを用いた赤外線調査も開発されるようになり、利便性が上がってきているようです。
反面、診調査よりは、調査結果の信頼性は低くなります。
調査時の気候状況に左右され、外壁面が乾燥していないとダメだったり、気温、風速などの影響も受けます。
続いて、実際の補修方法には、どのようなものがあるのでしょうか?
調査による外壁の不具合の発見や実際に外壁の剥離が起きてしまったといった場合には、
早急に対応しなければいけません。
そのような場合には、先ほども申し上げました、ロープブランコ方法が急所部分の補修には有効と考えられますでしょう。
当然ながら足場は不要となりますし、足場を仮設する組立、解体、運搬といった費用がかからないため、費用は少なく抑えることができます。
しかしながら、急所的な対応であり広範囲での対応が難しく、例えば30階以上もあるようなタワーマンションでのロープブランコ方法が、可能だとしても、それにかかる費用は想像がつきません…。
外壁の保全管理といった計画修繕での十数年ごとに行う大規模修繕工事については、
どうでしょうか?
一般的には、枠組足場が用いられています。
マンション外壁全体にメッシュシートがかけられ、鉄パイプを組み立てて行われているものです。
施工業者も数多く、費用の概算見積も取りやすく、安定した施工方式でしょう。
その次に考えられるのが、ゴンドラ方法です。
足場を設置する費用はかからず、高い足場設置費用より、数段費用を抑えられます。
足場が下から上へと仮設されるものではないため、枠組み足場より、大規模修繕工事中の夜間等の防犯上の心配も軽減されます。
しかし、当然デメリットもあります。
天候に左右され、作業効率が悪いことが挙げられますが、大きなデメリットとして、
補修作業後のチェックが難しいということがあります。
作業員がゴンドラにより補修を行った後、その部分に対してチェックするには、
また、ゴンドラを下さなければなりません。
そのようなことを何度も繰り返し行えば、非効率で、とても費用が多くかかってしまいます。
しかしながら、近年。
例えば30階を超えるようなタワーマンションでは、ゴンドラなどの昇降施工があらかじめ想定され建築されているため、枠組足場が当たり前とはいえません。
このように調査・補修には数々の方法があり、どれもメリット、デメリットはあります。
実際に施工を行うには、専門家の意見を参考にし、貴マンションにあった方法を選ぶことが、限られた組合資金を効率よく効果を上げることができるでしょう。