建物の建築が始まる前の土地で、神主さんを始めとした方々が何かしら儀式を行っている場面を見たことがあるという方は少なくないと思います。

あれは「地鎮祭」と言って、建物を建てる前に行うものです。 では、地鎮祭とは一体どんな儀式なのでしょうか?今回は点についてご紹介していきたいと思います。

地鎮祭とは?

地鎮祭というのは、お家など建物を建てる際に行う儀式のことです。

地鎮祭ではその土地の神様に土地を使用するお許しをいただき、工事が無事に終了することとその住む人達の繁栄を祈ります。

地鎮祭が行われるタイミングは工事が開始される前で、十二直という暦注を元に建築について縁起のいい日である建築吉日「建、満、平、定、成、開」の中から日取りを決めて行います。

現代では地鎮祭は施工会社が準備を行い、地鎮祭にかかる費用は現場諸経費に含まれる場合がほとんどです。

地鎮祭は何か建物を作る際、必ず行わなければならない儀式というわけではないので、施主さんが地鎮祭を行わない旨を施工会社に伝えれば省略することも出来ます。

また、地鎮祭は主に神式で行われる場合が多いですが、キリスト教式などで行う場合もあります。特別な要望がある場合は施工会社の担当者に相談してみるといいでしょう。

地鎮祭の流れ

地鎮祭は以下の12の流れで行います。

1:修跋(しゅばつ)の儀

2:降神(こうしん)の儀

3:献饌 (けんせん)

4:祝詞奏上(のりとそうじょう)

5:四方祓い(しほうはらい)

6:鍬入れの儀

7:玉串拝礼(たまぐしほうてん)

8:撤饌(てっせん)

9:昇神(しょうじん)の儀

10:神酒拝戴(しんしゅはいたい)

11:神官退下

12:直会(なおらい)

直会というのは地鎮祭後に行う食事会のことですが、戸建などの場合は経費削減という観点から省略することが多いです。(食事会の代わりに1000~3000円ほどの仕出し弁当を参加者に配布するという場合もあります。)

また、地鎮祭にかかる準備などは基本的に施工会社が行ってくれるので施主側が準備をする手間というのは基本的にあまりありません。

地鎮祭に参加する際は、基本的にフォーマルな格好がいいでしょう。

その他、地鎮祭は当日が雨でも決行される場合が多いです。

これには

・雨は土地を清めると考えられており、縁起がいい

・神主さんのスケジュールの都合上、延期などが難しい

などの事情があります。

神主さんへの初穂料と奉献酒が必要

地鎮祭の費用は大抵施工会社の現場諸経費に含まれていますが、別途用意しなくてはならないのが神主さんへ支払う「初穂料」、そして「奉献酒」の料金です。

初穂料の相場は大体2~5万円程度、奉献酒は清酒2升分ほどを用意するのが一般的なので、おおよそ5000円程がかかります。この点は忘れずに覚えておきましょう。

近隣への挨拶も忘れずに

地鎮祭後は近隣の方々にあいさつ回りをするのも忘れてはいけません。

工事には騒音なども伴うため、近隣の方々に少なからず迷惑をかけることになります。しっかりと丁寧に挨拶していきましょう。

挨拶回りの際はタオルなど粗品を配って回るのが一般的です。こうした粗品も施工会社が用意してくれる場合が多いですが、会社によっては用意してくれないこともありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

また、地域によっては自治会や町内会の会長さんなどにも挨拶をする必要がありますので、その点にも気を配りましょう。

まとめ

今回は新築前のお祓いである地鎮祭についてご紹介させていただきました。

地鎮祭の準備は大抵施工会社が整えてくれますが、初穂料や奉献酒などは自分で用意しなくてはならないのでその点には注意が必要です。

地鎮祭は実利的な面があるわけではありませんが、工事が滞りなく進むこと、そして家族の繁栄などを願う儀式ですので、あなたもぜひ執り行ってみてください。