長い賃貸暮らしから抜け出し、やっと一戸建てを購入した夫婦。夢を叶えることができてホッと一安心と思いきや、PTAに目をつけられてしまいます。果たして何があったのか?

・市外から引っ越してきた夫婦

市外から引っ越してきた小学生の子供を持った夫婦。この度、一戸建てを購入して新しい生活を始めようとしています。夫婦はいくつもの家を見て回り、水回りの使い勝手や全体の動線をチェック。

その中から、1番良いと感じた家を35年ローンで購入しました。家の周りには小学校・中学校・高校が複数あり、子供の将来のことを考えると安心。これから幸せな生活が送れると、夫婦は信じていたのです。

・えっ?PTAが強い力を持っている小学校だった

子供が小学校に入ってほどなくして、現実を知ります。子供が通うことになった小学校は、PTAがひそかに強い力を持っている学び舎だったのです。ちょうど役員決めの時期になっていることもあり、妻はすぐに呼び出されてしまいます。。

「引っ越してきたばかりだから、まず選ばれないだろう・・・」「私、仕事をしているし」しかしそんな妻の甘い考えは、すぐに打ち砕かれます。その小学校のPTAには、あえて新参者に重要な役割を任せる風潮がありました。

「重要な役割を任せることで、PTAとしての責任感が育つ」そんな考えがあったのです。不幸なことに、その時期に引っ越してきたのはこの夫婦だけ。

妻は仕事が忙しいことを理由に断ろうとしますが、「みんな仕事をしている!」といわれてしまいます。悩んだ妻は学校側に相談。しかし強い力を持っているPTAには、何も言えないとのこと。

あきらめた妻は、しぶしぶ役割を引き受けることにしました。妻が任されたのは広報。広報誌の編集や発行、ブログの更新を行います。

一見、楽な作業に思えますが、これが曲者です。PTAの広報誌には、「使ってはいけない」表現が多々。また前年の広報誌を参考にしすぎず、新しい観点から編集してほしいとのお達しがありました。

引っ越してきたばかりの妻には、小学校のことも地域のこともよく分かりません。ほかのメンバーに聞きながら、何とか作業を進めていきます。

作業はすべて、会社で働きながら少しずつ行っていかなければなりません。さすがの妻も疲れ果て、徐々に作業が停滞。最終的には広報紙が完成しますが、毎日のようにいじめのような経験がトラウマになってしまいました。

こんなはずではなかったのに・・・

・家を持つならその地域でのできる限りのリサーチは必須かな…

なぜこうなってしまったのか?その原因は、事前のリサーチ不足です。あらかじめ住む場所の地域性を確認しておけば、おのずとPTAの雰囲気も察することができたはず(意外とママ友の間では地域性の噂は熟知)。

暮らしやすさには、家だけではなく地域制も関係してきます。家を建てる際は、その地域へのリサーチをできる限り徹底して行うようにしましょう。

家を買う前にやっておきたいたった3つの準備 (単行本・ムック) / 荒村泰啓