分譲直後の管理費は,管理組合不在で決められる?

通常、管理費の徴収は、共用部分の利用頻度に係わらず、専有部分の床面積に応じた
共有持分に応じて負担しています。

そして、その管理費は、販売と同時に決められた負担額となっています。

販売担当となるデベロッパーとしては、販売しやすくするため、管理費を下げようとし、反対に、管理会社は、管理しやすくするために管理費を上げようとします。

この販売時における互いに系列会社であるデベロッパーと管理会社のせめぎ合いで、
着地点となる管理費を決め、対外的には競争原理が働かぬまま、購入した区分所有者がその管理費を負担するのが現状です。

このように決められた管理費、このままでよろしいのでしょうか…。

管理費とは、マンションを維持管理する上で必要となる設備の保守管理や清掃、保険、各法定点検等に費用をかけて、共用部分を維持管理して、快適でいつまでも資産価値のあるマンションを日常的に保つことを目的とするものです。

当然に高経年のマンションでは費用が高くなる事実がありますが、分譲の際の系列会社によるせめぎ合いで決められた管理費の負担額をそのまま長期に渡り、委託することには疑問があります(当然に修繕積立金も)。

管理費の内訳で、不必要な事業計画はなくし、反対に必要な事業計画は増やすなどして、管理組合主導のもとで精査し、しっかりと納得する説明を管理会社より受けながら、管理組合は、管理を買っているという立場であることを意識しなければならないと思います。

つまりは、「物言わぬいいお客さんでは、まずいですよ。」ということです。

実際に、管理費の適正水準については、専門的な知識が必要で立地や大きさ、使用される設備等によって委託内容が変わり、統一基準がないため分かりにくいのが現状かもしれません。

どうしてもうちの管理費は高すぎると疑問に思うのであれば、委託内容について統一仕様に基づいた他の管理会社から相見積をとることもひとつの手段となりますでしょう。

一般に管理費の相場は、ファミリータイプのマンションで1平方メートルあたり170~250円と言ったところでしょうか。

この管理費の相場は、最寄りの駅から離れるほど低く設定されているそうです。

分譲価格が、最寄りの駅の近い遠いで値段が大きく違うのは分かるのですが、管理費(委託費)についてそれほど多寡の差はあるのでしょうか(完全に関係ないとはいえませんが…)?

…不思議です。

管理費を下げた事例紹介

では、不必要とされる事業計画を止め、管理費削減となった事例を挙げてみたいと思います。

・エレベーター保守管理の見直し(点検回数、点検方式)
・清掃業務の見直し(定期清掃の必要回数、日常清掃の合理化)
・管理員業務の見直し(管理員不在型の検討、合理化)
・設備の変更(LED化、給水方式変更、機械式駐車場廃止)
・保険の見直し(積立か掛捨てか?地震保険は?)
・管理会社の変更(相見積、削減提案)
・保守業者への直接契約(中間マージンの排除)
など。

これら述べた事例ですが、
全てのマンションに当てはまるわけではありませんし、
変更するなどにも専門的知識が必要になることはご了承ください。