共用部分での自転車放置
近年、健康意識の高まり、利便性等から通勤通学時に自転車を利用される方が増えています。
それと同時にマンション駐輪場のトラブルも増えています。
マンション内に置ける自転車は、限られた台数の範囲で、ルールに従って止めなければなりません。
ママチャリと呼ばれる軽快車のみでなく、スポーツタイプのロードレーサー、マウンテンバイク等と合わせて二台持ちの方がいますが、
どうしても駐輪場に置くことができず、共用廊下に止めてしまう方がいます。
共用部分である廊下は緊急時には誰もが通行する可能性があります。
消防法の第2章の第8条2の4には、「防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設について避難の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理し、かつ、防火戸についてその閉鎖の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理しなければならない。」
とあり、消防法上の指摘事項となり、早急に改善しなければいけない問題でもあります。
このように駐輪場一つにしてもトラブルの原因は複数あります。
2段式の駐輪ラックでの事故
そもそも扱いが難しい2段式のラック。
そこに、マンションの竣工時には考慮して設計しているはずの駐輪場であったが、近年の電動自転車、チャイルドシート付自転車等の想定外に大型化された自転車が増えてしまい、「狭くて出し入れしにくて自転車が破損した。」「重くて上段へ上げられず、それだけでなくけがをした。」等々、不満が増える一方です。
出し入れが不便なため、自転車が煩雑に置かれる
ゴミ置き場と同様に駐輪場もそのマンションの管理状態や居住者のモラルが分かると言われています。
それは、景観に悪影響をもたらすだけでなく、資産価値にも影響します。
限られたスペースの駐輪場,問題解決方法は?
現在では、このような駐輪場の問題は、大規模修繕と同時に解決することが挙げられます。
給水の受水槽方式を止め、直結増圧ポンプ方式に変えたり、時代とともに、不要な公園遊具の撤去をし、空いたスペースへ駐輪場を増設。
自転車サイズの変化については大型化に合わせ上段を引き出すタイプから女性でも片手で上げられる垂直上下動タイプがあります。
こちらは高齢者にも使いやすく、収容能力がとても高いです。
また、築年数の経過したマンションでは全く使用されていない自転車が見受けられます。
この問題に対しては有料化の登録制にしたり、各自治体や業者が無料回収を行っていることがあります。
自力救済の禁止という法律の前提条件があるため、勝手に自転車を処分してしまうと逆に所有者から指摘される場合もありますので注意が必要です。
警察への所有者不明の自転車の確認についても限界があり、丁寧に解決することが肝心です。
撤去する前に、居住者に事前に告知することが必要でしょう。
また、最近では管理組合側で共用自転車の導入を検討して、居住者が自転車をシェアするというマンションも増えてきました。
以上を踏まえて、現状の貴マンションに見合った対策を模索することになるでしょう。