ウレタン防水のメリット,デメリット

ウレタン防水は塗膜防水(メンブレン防水)と呼ばれ、液状から防水施工部分に塗布や吹き付けを行い、防水膜を施工します。

この工法は、液状から施工するため、施工しにくい狭い場所でも塗布することができ、融通性があり、設備等のある複雑箇所の屋上や階段などで幅広く使用されている工法です。

デメリットとしては、メーカーにより基準防水膜の厚さが指定されており、作業員の技術レベルによっては、平坦にはならず、均一の施行塗膜が難しく、施工監理の徹底が必要となります。

しかしながら、このウレタン防水の施工は、コストを抑えることができ、軽量な防水層のため、マンション構造に対しての負荷が少なく、増し打ち(防水層への厚塗り)も比較的可能です。

密着工法と通気緩衝工法

その塗膜防水であるウレタン防水には、密着工法と通気緩衝工法があります。

密着工法…
防水施工箇所の下地処理を行い、直接下地にウレタンを密着させるため、通気緩衝工法よりやや安価に施工ができることがメリットであるが、下地に水分が溜まった場合には逃げ道がなく、通気をしないため膨れ上がることになってしまいます。

脱気筒(通気緩衝工法)の設置ができない側溝や階段、雨の掛からないベランダに適した施工でしょう。

通気緩衝工法…
ウレタンを流し込み、継ぎ目のない塗膜防水ができるのは、密着工法と同様ですが、密着工法のデメリットである水分の影響で防水層が膨れあがる(その後、亀裂により漏水原因)現状をなくすため、通気となる緩衝用シートを貼り付け、その後、下地からの水分を逃がすための脱気筒を設けます。

デメリットは、コストがやや高めとなります。

…ではどちらの工法が良いのか?

それは、施工する部位や状態などにより、結論としては一概には言えません

屋上面での歩行しないような広範な部位であれば、脱気筒の設置を施工しやすいので通気緩衝工法が良いといえますし、より耐用年数のあるアスファルト防水を施工することもあるでしょう。

結局のところ、コスト面や下地等の建物の構造上の状態を考慮しての判断となると思います。

ウレタン防水の維持管理

屋上などの太陽光の紫外線や外気の影響を受ける防水面では、劣化が早く進みます。

ウレタン防水でも紫外線の影響を受けて劣化するため、トップコートという薄い保護層を施工することになりますが、約5年程での塗替えが必要とされ、それにより耐用年数を伸ばすことが推奨されています。

しかしながら、劣化については大きく幅があり、必ずしも5年程で紫外線、外気の影響で塗膜が破れ、亀裂から漏水が起こるかと言えば、必ずとはいえません。

やはり、修繕や維持管理には、専門家の診断が必要であり、診断の費用を省くことは、無用な工事費をかけてしまい余計な費用がかかることも考えられることは間違いないと思います。