団地の環境に疲れ、一戸建てを購入することを決めた夫婦。これからはゆったりと暮らしていこう。そう思っていた矢先、30年ローンが夫婦と子供を苦しめることになります。

・子供のために30年ローンで家を購入した夫婦

幼い子供を持つ夫婦は、家族3人で団地に暮らしていました。地域にもよりますが、団地の壁は薄いのが一般的。子供が泣いたり暴れたりするたびに、周りから冷たい目で見られます。

実際、夫婦の子供はちょっと落ち着きがない性格。周りの子供と比べても、元気すぎる傾向があります。夫婦は家を持つために、地道に貯金。足りない分はローンを組んで、一戸建てを購入します。

今後の子育てのことを考えて、マンションは選択肢にいれていませんでした。実際に住んでみると、団地と違って圧迫感がなくて最高。多少騒いでいる程度なら、周りに迷惑をかけることもありません。

この機会に妻も働くようになり、新しい生活が始まります。

・徐々にローンの存在にストレスを感じるように・・・

最初は新しい生活に幸せを感じて、何の不満も感じなかった夫婦。しかし徐々にローンの存在が、夫婦を苦しめるようになります。「家賃を払い続けるくらいなら、ローンを組んで家を買った方が良い」

そんな風に感じていた夫婦ですが、実際何十年も払わなくてはならないローンを抱えているのは大きなストレスです。また賃貸なら簡単に引っ越せますが、購入した以上ほかの場所に行くのは難しい。

そんなプレッシャーが夫婦に覆いかぶさり、毎日のようにイライラするようになります。そのイライラが伝わったのか、子供も落ち着かない様子。

以前なら許すことができた子供のちょっとした失敗にも、夫婦は神経質になって大きな声を上げる日が増えていきます。夫婦は察します。自分たちに、ローンのある暮らしは向かない。

・子供を泣かせてまで、家の購入にこだわる必要があったのか?性格的に住宅ローンは向いてなかった

現在の夫婦は家の売却を検討中。幸いなことに、人気が高い立地なので高い金額で売れそうです。しかし残りのローンのすべてを補てんできるわけではなかったので、多少の返済は続けていく必要があります。

しかかしながら、住宅ローンからのストレスはなくなり、家庭内も明るくなりました。では、本来なら必要がなかったローンを払うことになった夫婦。どのような生活スタイルに変えたのか。

・一戸建て賃貸を検討するのも1つの方法だった

このケースの夫婦は、自分たちの性格を把握せずにローンで家を購入。結果的に、ストレスを抱え家族仲が悪くなっていきました。子供のために家を購入したのに、その本人に迷惑をかける事態にも発展します。

今回の夫婦の場合は、一戸建て賃貸を検討したらよかったと考えられます。家賃を払いながら、一戸建てに住む。これなら子供の騒音問題を解決しつつ、ローンのプレッシャーに押しつぶされることもなかったはず。

考え方は人それぞれですが、自分に合った方法を選択していく必要があるのではないでしょうか。

家を買う前にやっておきたいたった3つの準備 (単行本・ムック) / 荒村泰啓