理事は役割に応じて職務を遂行する

管理組合には、複数の理事と監事が置かれることになります。

理事は組合員を代表し、合議制となる理事会を構成しながら

マンションにおける総会で決議された事項や管理組合の業務とされるもの等、様々な課題に取り組みます。

そして、理事会における理事の定数は、戸数の少ないマンションでの理事は3名以上、

数百戸を超えるようなマンションでは20名程といった定数が決められることになります。

当然戸数の少ない、理事の少ないマンションでは、理事が多くの管理組合の職務を兼務することになり負担が多く、数百戸となるマンションでの理事は、業務の負担を分担しながら各理事が担当します。

マンション標準管理規約第35条の役員の設置については、理事長、副理事長、会計担当理事、監事などを標準として定めることとし、各業務に対しての役割分担を設けていますが、戸数の多いマンションでは、取り組む職務の計画、実行等が膨大となるため、書記、総務、防犯、防火、営繕等の実務上の役割を分担して各理事が担当する管理組合が多くあります。

理事の実務上の役割構成例(理事長,副理事長,会計,総務,防犯,防火等)

役員の選任は、総会により組合員のうちから選ばれます。

そして、役員決定後の話し合いによる互選により理事長、副理事長、会計担当理事などの役割分担となる各職務を担当する理事が決められます。

主な職務を担当する理事の役職

・理事長
一般的には、区分所有法に定める管理者となります。管理組合を代表して業務の執行に関する報告を行ったり、規約、使用細則等又は総会若しくは理事会の決議により、理事長の職務として定められた事項を遂行します。

・副理事長
理事長の業務の補佐を行い、理事長が事故、欠けた時等の不在の場合に業務を代行します。

・会計担当理事
理事長、副理事長に続く三役と呼ばれる理事。マンション標準管理規約第40条には管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行う理事とされています。出納状況の把握や管理費等の滞納者への督促も担当することとされます。また、組合運営としての経費に対して小口現金の管理などを行います。

・書記担当理事
総会、理事会などの議事録を作成しますが、後の担当理事にもいえますが、組合事務とされるものを管理会社へ委託する場合には、この書記担当理事の業務とされる議事録作成でも、管理会社のフロントが補助しますので、書記担当理事は議事録案を確認、修正するだけになる場合があります。

・総務担当理事
管理組合によっては、年間スケールジュールにより夏・秋祭りやクリスマス会、コミュニュティ形成の親睦会が行われますので、その会場の手配や必要な準備を行ったり、その他、組合員の意見収集や調整を行います。

・防火担当理事
災害による緊急連絡網の整理や防災訓練の計画、実行を行います。また、マンションに設置が必要な防火管理者の役割を担当することもあります。

・防犯担当理事
防犯対策の検討だけでなく、マンション内の悪戯による被害についても確認と対策を行います。

・営繕担当理事
共用部の修繕についての相見積の検討や情報収集、必要な修繕に対する計画案の作成を行います。

・町内会担当理事
地域との渉外を担当して、マンションを代表して町内会の会議等の行事に出席します。

・その他の担当理事
ペット飼育、駐輪場、駐車場、広報などの問題に担当する理事を設けている管理組合があります。