マンション修繕積立金と管理会社

管理会社より修繕積立金の値上げの提案があった

マンションでは管理費と同様に修繕積立金の徴収が一般的であり、必然的です。

修繕積立金は長期修繕計画をもとに集められ、将来に向けての大規模修繕工事等、資産価値の維持管理のために使用されます。

使用されますが、突然の管理会社からの修繕積立金が将来不足することの指摘がされ、値上げの提案がされることが多々あります。

長期修繕計画が国土交通省のガイドラインに基づいていればいいのですが、販売会社の販売政策が反映され工事金額が高く設定されている場合があります。

このような状況の中、


「そんなこと、聞いてないよ!」
「急に資金が不足と言われても困る…なんで管理会社は早く言わなかったの?」等々…

管理組合の驚きと失望の声が上がってきます。

なんで修繕積立金が不足するの?

修繕積立金が大きく不足する理由の1つとして、新築時の意図的な販売戦略による理由があります。

マンション購入者は、購入ローン、管理費等かかるため、売主側は購入者の販売負担感を軽減するために、修繕積立金を安く設定し、購入のハードルを下げています。

購入者は金額が少ないほど、負担が少なくてすむと思いがちですが、急な修繕積立金の値上がりや大規模修繕工事の際の多額の一時金の徴収につながってしまいます。

資金不足に気づくことが、どれだけ早いかでその後の改善の難易度が変わります。

均等積立方式と段階増額積立方式

修繕積立金が少ないマンションは資産価値も低くなります。

資金の積立方式には、以下の二つの方式があります。

均等積立方式…
毎月同じ金額を支払う方式です。
正確な長期修繕計画をもとに、期間中は修繕積立金が変わることがないよう計画的に徴収します。

国土交通省の修繕積立金に関するガイドラインでは、この方式が望ましいとされています。

段階増額積立方式…
長期修繕計画上の資金計画において、徴収の負担を軽減するために、何年かごとに段階的に値上げを行うことです。

この方式は当初の負担は低く済むものの、最終的には高額な徴収となりかねませんので、しっかりとした計画が必要です。

修繕積立金の値上げの対策

誰もが値上げをしてマンションの収入を増やすことはしたくないものです。

考えられる対策としては、マンションの支出を減らすことが挙げられます。

1つは値上げを提案した管理会社の管理委託費の見直しです。

修繕積立金が低く設定されている代わりに、管理費は割高に設定されている可能性が高いです。

見直せば、大幅な支出を減らすことができます。

もう1つは、大規模修繕工事の費用自体を見直します。

長期修繕計画は最大費用の見積であり、あくまでも計画です。

国土交通省のガイドラインによる長期修繕計画の見直しを行うだけでなく、実際の工事には、相見積の取得や不要不急の工事の判断、工事発注方式の選択により大幅な削減を見込めるでしょう。

当事務所では、現状の長期修繕計画の見直しを支援し、より具体的な修繕積立金の計画の見直をします。