ペット飼育の本質を組合で共有して解決の糸口を探す

ペット飼育の苦情の原因…飼育者と反対者の言い分

近年は居住者の高齢化に伴う単身世帯や少子化の影響を受け、暮らしの中に家族の一員として犬や猫を飼育して癒しを求める世帯が増えています。

このような影響は分譲マンションでも起こり、管理規約上ペット飼育を禁止していても増加する傾向があります。

しかし、このような傾向でも当然にペットアレルギーを持つ者、犬や猫に恐怖を感じる者などペット飼育に反対する多くの居住者もいます。

ペット飼育について起こる問題には糞尿の不始末、悪臭、鳴き声や動物による危害の危険、アレルギー反応があります。

このような問題が考えられていても飼育者の中には規約違反を自ら犯しているにもかかわらず、飼育そのものを正当化しペット禁止を排除しようと考える者もいます。

当然に反対者は受け入れられず規約厳守を訴え、互いに組合内でエスカレートし大問題へ発展しかねません。また、規約を守りペットを飼いたい居住者が断念している状況で一部が飼い始めたことに対しての不公平感を感じさせる状況でもあります。

ペット飼育と共同の利益に反する行為について

区分所有法6条では共同の利益に反する行為は禁止されています。

よって、マンション内の憲法である管理規約のなかにペット禁止を定めることはできます。また、ペットの扱いについて不明確なマンションについては、盲導犬、介助犬などを除き一部飼育されている居住者の承諾を必要とせず、特段の事情のない限りペット飼育禁止条項を定めることは当然に可能です。

ただ、無用なトラブルを避けるためにも管理組合内で十分な話し合いを重ねることは必要でしょう。

管理規約等にペット禁止規定があれば飼育行為が区分所有法6条での共同の利益に反する行為として特段の事情がなければ区分所有法57条に基づくペット飼育の差止請求ができます。また、実際に被害、迷惑がある場合には管理組合の管理者は不法行為に基づく損害賠償を請求することも、管理規約等に違約金の定めがあればその請求ができます。

ペット飼育問題の解決への模索

犬の敷地内の散歩やエレベーターでのペットの同乗と反対者からしてみれば居ても立っても居られません。

しかし、ペット禁止条項を規約、細則に定めて飼育者に即時飼育中止を求めても解決は難しいでしょう。

飼育者、反対者が十分に話し合い解決の糸口を探し出し、合意形成を諮ることになるでしょう。

アンケート調査を行い苦情、実情の把握、飼育の賛否、意識調査を行い本質を知り、無用のトラブルがないよう慎重に進める必要があります。

現状での解決策の考え方としては一代限りの飼育、条件期限付きの飼育が考えられ、規約の禁止条項も曖昧なものとはせずに明確に定めることが必要です。

飼育については理事長への承認を求める手続きやペット飼育者同志によるペットクラブの発足、同クラブを苦情の相談窓口にしたり、ペット飼育についてのルール化を策定し、徹底して守ることを管理組合内に周知、広報します。

ペット飼育問題は解決が難しく様々な対応策が考えられますが、貴マンションの現状に合わせてうまく合意形成を進めることで解決の第一歩となることでしょう。